KB health careは、KB損害保険の子会社として2021年に設立され、デジタルヘルスケアプラットフォームの「O’CARE」を運用しています。ユーザーの健康データをベースにアドバイスや目標管理、パーソナライズされたコンテンツ配信等を提供します。
O'CAREは、B2B顧客を対象にヘルスケアサービスを提供していて、サービス利用者のうち、アンケート回答者の87.1%が週に一回以上はサービスを使っています。立ち上げからまだ一年間もたっていませんが、サービスを安定的に運用できているのは、WhaTap Monitoringの役割も少なくないそうです。
特に、プライベートクラウド環境でサービスを運用している場合なら、KB health careのWhaTap Monitoring導入事例が参考になると思います。KB health careの導入事例を、同社IT革新本部プライベートチームマネージャーのSon Byeongchangさんから聞きます。
“KB health careはグループのポリシーとして自社データは外部へ出せません。ですが、WhaTap Monitoringならプライベートクラウド環境でも構築できたので選びました。”
- KB health care、IT革新本部プラットホームチームマネージャー、Son Byeongchangさん –
Q)KB health careはどのような会社ですか?
A)KB health careはKB損害保険の子会社です。ヘルスケアサービスプラットフォームである「O’CARE」を、KB金融グループの社員向けに提供しています。今後サービスを拡大してB2B、B2C向けにも展開していく予定です。
当社のシステムは、すべてがクラウド環境で構成されています。サーバールーム自体がないです。当然、オンプレミス設備もありません。このようなクラウド業務環境の中で、
私はクラウド運用とビッグデータに関連する業務を担当しています。
Q)KB health careのインフラ構成と運用組織の人的構成はどうなりますか?
A)MicrosoftのAzureクラウドを使用しています。その他、現在準備しているメディカルプラットフォームは、AWS上で構築しています。オンプレミス設備はなく、完全クラウド環境でVM、ストレージ、セキュリティソリューションを運用しています。Apache、JBoss、ミドルウェアソリューションとRDB、ドキュメントデータベース、NoSQL DB等がクラウドインフラで構成されています。アプリケーションとデータベース向けのモニタリングサービスはWhaTap Monitoringで、IoTデバイスの指標収集はSplunkを利用しています。
インフラ運用のための人的構成としては、クラウドエンジニア、ビッグデータエンジニアがいます。外部からはMSPパートナーの協力をもらっています。
Q)WhaTap Monitoringを選択したきっかけは何でしょうか?
A)O'CAREサービスを2022年2月に立ち上げました。立ち上げ当初から同時接続が集中するイベントがあったりして、アプリケーション障害や性能に課題がありました。
Azureクラウドプラットフォームからでもアプリケーションインサイト、Azure Monitorといったサービスを提供しています。それに、SplunkでヘルスケアIoTデバイスのメトリックスとイベントを収集してモニタリングを行っていました。にもかかわらず、前述の課題解決がなかなかできませんでした。結局、APM導入を検討することになって、WhaTapの他にもグローバルサービスのD社を一緒に検討しました。
データを外部に出せないとのグループポリシー上、サービス導入上で最も大事だったのがモニタリングデータを保存する場所でした。グローバルサービスのD社はアメリカやヨーロッパにしかデータを保存できません。反面、WhaTapはリージョンを指定してデータ保存ができ、しかもプライベートクラウド環境へも構築ができました。その点が高く買われてWhaTap Monitoringを導入することになりました。
Q)WhaTap Monitoringはどのように役に立ちましたか?
A)まず、O'CAREサービス立ち上げ時の性能改善の際に役に立ちました。現在はサービスが安定してきたので、不測のイベントや障害発生に備えてアラートが受信できるようにしています。アラートが受信されたら、該当のクエリを詳細まで分析して、その原因をトレースするような形です。
Application Monitoringでは、トランザクションの応答時間分布図(ヒットマップ)を提供します。この機能を使うと、応答時間に遅延があったトランザクションを簡単に見つけ出して、その詳細へすぐドリルダウンできます。Application Monitoringを使うことで、アプリケーションサービスの可用性が確認でき、安定的な運用ができるようになりました。
Database Monitoringでも、開発当初からDB設計ミスなどを容易に見つけ出し、現在も続けて活用しています。 また、テクニカルサポートもモニタリングサービスを選択する上で重要なポイントです。WhaTapは、APMにおける豊富な経験を持っていて、しかも、時差なくすぐに対応してもらえるので、とても助かっています。
Q)モニタリングが必ず要りますか?また、WhaTap Monitoringを進める理由は何でしょうか?
A)サービスの安定的な運用のためなら、モニタリングは必須かと思います。特にサービス立ち上げや拡張、クラウドへの移行などの際には、コードエラーや接続遅延等の予期せぬ性能障害が発生しがちで、それらが即時に解決できないとユーザーが離脱してしまいます。WhaTap Monitoringは、このような予期せぬイベントが発生した際に、その現状をすぐ検知して、原因究明へそのままドリルダウンしていけるようにします。
そのおかげで、障害の原因を見つけ出すまでの時間が大幅に短縮でき、サービスの安定的な運用に集中できるようになります。KB health careのオフィスには大型モニターにWhaTap Monitoringのダッシュボード画面が常に表示されています。開発担当と運用担当がともにそれを見ながらコミュニケーションを行っています。